甘ったれ女の雪物語♡
朝起きたらカーテンの隙間からはグレーの光が射していた。
ん?天気悪いのね。と思いながら早いとは言えない起床をした。
カーテンを開けるとまさかの雪…。
最近は春のように暖かかったから、まだ3月だと言うことも忘れていた気がする。雪が降って当たり前の季節。
雪の多い地方に住むわたしにとって、雪は遠距離恋愛をしている恋人のようなものだ。
一年に数回、雪の季節だけ会うことが出来る。
今年もまた会えたね。
なんて言って見つめ合う瞬間は嬉しさと切なさに溢れている。
もっと会いたいよ。
まだ帰らないで。
そんな切ない恋物語をわたしの中で毎年繰り広げていた。
しかし数年前から、それは少しずつ変わっていった。
”雪が降ったら雪掻きをする”
当然のことなのだが、実家にいればパパママおじいちゃんがやってくれていたし雪掻きの数もそんなにない。だからわたしは呑気に恋物語をひたすら続けていられた。
でも結婚して2人暮らしをしたらそうはいかなくなる。恋物語より先に浮かぶのは雪掻きの恐怖。
積もるなよぉ。早く止んでくれ。
(会にくるなよ、早く帰れ)←
ひどいけどそう思うしかない。
雪掻きなんて大嫌い。重いし、寒いし、うまく出来ないし。
だから毎年、旦那ちゃまがやっている←
わたしなんて5.6年一緒に住んでいて1回しかやっていない。
本当に申し訳ないなと思ってはいるのだけど…きっと旦那ちゃまはこんな場面に出くわしたら、
°°こう思うに違いない。。
”おはようございまぁす♡”
もしくは
”お疲れ様でぇす♡”
せっせと雪掻きをする若い女。文句も言わず元気にキビキビと雪掻きをする。
そんな女を見て、なんて素敵な人なんだ‼︎嫌な顔せず頑張って雪を掻いていて素晴らしい人だな。こんな人と一緒になったら雪掻きの時間も半分で終わるし、普段もサクサク物事が決まって楽しいだろうなぁ〜。
°°どうせこうだ。。
そんなんだったら最初からその雪掻き女と結婚すればいい。わたしは、俺は雪掻き大好きだからゆっくりココアでも飲んでいて。と言ってくれる男と結婚するから。
(旦那ちゃまもゆっくりしててとは言ってくれる←)
そんな妄想で怒るくらいなら雪掻きすればいいじゃん。と思うでしょう…
嫌なのです。←
重いし寒いしうまく出来ないし。
でも今年は妊婦だからと言い訳できるけど、来年からはご近所さんもいるしきちんとやらなきゃなぁ。という気持ちはあるのです。
遠距離の彼よ。どうかチラッとわたしを見にくるだけにして長居しないで下さい。
(ヒラヒラ舞う程度にして下さい。)